西大寺さん(5)

aniyan
2010年3月17日

仏教はお釈迦さんが説いた教えであり、お釈迦さんは宗派を超越した存在です。
お釈迦さんは紀元前5世紀頃、現在のネパールの王子様だったかたです。

 

仏教に帰依するひとならば、誰でもお釈迦さんの本当の姿は見たいと考えるのは普通。

 

平安時代、平将門や藤原純友の乱で、政情国情が不安視されていたころ、
最澄や空海が説くような儀式化したものではない、庶民に根ざした仏教を求めて、
中国大陸に渡った奝然(ちょうねん)というお坊さんが、
お釈迦さんが存命なあいだに写して彫られた像の模刻を持って帰ってきたので、
民衆は大騒ぎ。

 

模刻を現物ととっかえて持ち帰ってきたという噂までたってしまって、
朝廷が比叡山と同格の扱いでおまつりしてよいという勅許まで出しました。

 

その釈迦如来像が京都・嵯峨の清涼寺に国宝としていまも在りますが、
この出来事もふくめて平安後期から広まった釈迦信仰で、
同像の日本国内でのさらなる模刻がくりかえし彫像されます。
およそ国内に50ほど現存するのではないかといわれています。

 

釈迦信仰と衆生(人々)救済を教旨とする西大寺さんの本堂の中央にあるご本尊も、
清涼寺三国伝来釈迦如来像模刻のひとつです。
数ある模刻のなかでも完成度が高いとのことです。

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