3/7までおこなわれた大阪高島屋の池坊展を見てきました。
華道の展覧会を見ること自体はじめてで、
瀬戸物の花瓶で、剣山をつかって生けたものとしてだけの先入観をもっていましたが、
幾何学なオブジェと組み合わされたもの、風船を使ったもの、
壁掛けにされたもの、思ってももみなかった作品をたくさん見せられて、大変驚きました。
これはもう造形アートというしかありません。
花と組み合わせられた花瓶にしても、オブジェにしても、ありものでは演出できません。
おそらくは、一から制作されたものではないでしょうか。
となると、これらの生け花にとりくまれた先生や生徒さんは
インテリアデザイナーやら、ガーデニングやら、
単に、私が先入観でもっていたような生け花以外の技量を備えておられることが容易に想像できます。
池坊という流派自体も最近、全国の高校生の代表が独創性を競う「花の甲子園」を開催したり、
吉本興業のタレントコースの授業での指導をはじめるなど、 これまでの型を破るような取り組みをはじめています。
伝統というものは、新しいものを否定するのではなくて、
新しいものの積み重ねながら、時代を超越した要素が残されたものです。
当然ながら時代に合わなくなれば見直される、
そのためには新しいものを受け入れなければ伝統は生まれないということです。
ものづくりの基本に立ち返るよい機会となりました。