Webデザインは「商業デザイン」であって、アートではないので、
商業デザインにはある程度ルールや約束事があって、まあ、感性は要らないことはないのですが、
ちゃんとその規則を学んだうえで、感性はそれからでじゅうぶんじゃないかと思います。
体験済みですが、ルールを理解してつくるようになるだけで、きっと格段に上達します。
たぶん「感性こそ」と声高に言う人こそ、わかっておられないと思いますので是非勉強されるべきで、
その後、きっと「感性こそ」などとは言えなくなるのではないでしょうか。
新しくOPENしたケーキ屋さんのウェブサイトに、
宇宙一おいしそうなケーキの画像を何時間もかけてつくってるあいだに、
お店でアルバイトの女の子が、かわいらしい値札を描いて、チラシをつくって、配って、それで売れようものなら、
いったいどっちがお店のためになってるのか、有益なデザインなのかは言うまでもありませんね。
そう、むしろ絵柄ではなく、価値ある情報をいかにより価値のあるもののように見せて、
かつ、わかりやすく、正しく伝えるか。
お客様を商品やサービスを購入に導くことができるかが「商業デザイン」の使命です。
京都の勉強会をきっかけに、「ノンデザイナーズ・デザインブック」を買ってきました。
勉強会でも、WebやDTPのデザインに関わっておられる参加者が異口同音におすすめの本として引き合いにした、
商業デザインの不滅のバイブルといったところでしょうか。
僕が昔いた会社ではじめて読んだときはブルーの表紙のモノクロのペーパーバックでしたが、
いまの版はフルカラーになって、さらにありがたいことに配色に関する話や、日本語フォントのことも補充されていました。
ちっとも堅苦しい内容でもないし、それでもうっとうしければ、パラパラ眺めてるだけでも、とても大切なことがわかる本です。
肝心のWebデザインの章は、800×600ピクセル時代の古い、いまひとつもう役に立たない情報で、残念ですが、
他のページでじゅうぶんにあまりある、じゅうぶんにWebにも活用できることが学べます。
この本で学んだあとは、テキストや画像の右揃え、左揃え、アタマ、尻はちゃんと揃っているか、本当に真ん中に収まっているか、とか、
WebならばHTMLも正しく書いて、brタグや中身が空のpタグを連発せず、CSSでsectionやpどうしのmarginとるとか、そういうことを普段から普通にこだわって、W3Cのバリデータにかけてもエラーのないようにと心掛けるようになってこそ、素人と違う、お金をいただくプロの「Webデザイナー」なんじゃないかな、と思うのです。